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クロックジェネレータ非搭載オプションの「カートリッジリーダー V3 ALTER」をファームウェアVer9.4以降にアップグレードする時に注意すること

完全に趣味の世界なので、わかる人向けのマニアックな備忘録です。
自分がV3 ALTERのファームウェアアップグレードで遭遇したトラブルについて記録しています。

2022年8月に購入したV3 ALTER君のファームウェアをアップグレードしてみました。吸い出しの成功率や速度、あとはROMのライブラリ(ファイル名を自動的に登録してくれる奴)が改善されるんじゃないかと。

ROM のライブラリについては、この画像を見て貰えばわかるかと思います。上がライブラリでヒットした際に自動的に付与されるファイル。下の方はライブラリでヒットしなかった場合のものです。一応どちらもエミュレータで起動はできますが、やっぱり上のファイル名で出て欲しいところ。

ちなみに、カートリッジリーダーのファームウェアは公式Githubで公開されています。
全部英語ですがGoogle翻訳君のおかげで読むだけなら比較的何とかなったりします。便利な時代になったもんだ。https://github.com/sanni/cartreader/releases

手順は公式Wikiやガジェット系サイトさんなどで紹介されていますが、日本語系サイトだとファームウェアV9.5あたりの情報が大半のようです。

目次

ファームウェアVer13.1にアップグレードするとSFCの吸い出しできない件

試行錯誤しながらVer13.1にアップグレードしてみたところ、SFCの吸い出しができない事態に。SFCを選択すると”Clock Generator is not found”というエラー文字列が出てしまい先に進めなくなりました。

色々調べてみましたが、中々解決できず半日ぐらい悩みました。V3 ALTER君に様々なバージョンのファームウェアを入れて検証してみたりしたのでかなり時間を食い潰されたのですが、結局はプログラムのコンフィグ部分に原因がありました。

ファームウェアVer9.4以降且つHW2(カートリッジリーダーV2)以降の場合、プログラム内で強制的にclockgen_installed変数が有効化されるコードの記述になっていました。これは、V3 ALTER君を購入時にSA-1という謎オプションを選択しなかった時に響いてきます。下の画像でいうSA-1のオプションのことですね。

https://savethehero.builders/en-jp/products/open-source-cartridge-reader-v3-alter-build-service

このオプションは、要するに特定のSFCソフトやN64ソフトに対応するためのものです。例えば、スーパーマリオRPGなどのSFCソフトが有名ですね。つまり、これらの特殊なタイトルを吸い出そうとしても、SA-1オプションがない場合は正常に吸い出せません。

つまり、このSA-1オプションはclockgen_installed変数に密接に関連しています。吸い出し初心者の時にV3 ALTER君を買ったため、このSA-1オプションは眼中にありませんでした。謎オプションに金なんか出せんわい!と考えた過去の自分を殴りに行きたい。

ファームウェアのプログラムを調査してみた件

話が脱線しましたが、クロックジェネレータを付けていないV3 ALTER君の場合、通常のアップグレード手順を踏んでも、SFCの場合には”Clock Generator is not found”エラーが発生し、吸い出しができません。SFCの吸い出しプログラムの序盤にこの検知があるため、SA-1などの特殊チップの有無を関係なく、SFC関連の吸い出しは全く不可能になります。コードを読む限り、N64も同様に全ての吸い出し操作が不可能になるはずです。そのため、SFCとN64の吸い出しを行うためには、コンフィグ設定部分でclockgen_installed変数を適切にコメントアウトする必要があります。

このclockgen_installed変数ですが、Ver9.1まではデフォルトでコメントアウトされているようでした。つまり、Ver9.1までのバージョンでは、通常のファームウェア手順(readme.txtに記述通りの手順)でアップグレードしても問題ありません。反対にVer9.4以降ではデフォルトでこの変数が有効化されているので、アップグレード時にはコメントアウトや削除などで無効化しなければなりません。

2024年2月時点で最新のVer13.1を例に見てみましょう。Ver13.1の場合はコンフィグ部分の記述がconfig.hと言うファイルに分割されています。406行目のclockgen_installed変数を見ればわかるように、HW3(V3 ALTER)の場合はデフォルトで有効化されています。この部分をコメントアウトか削除して無効化すれば、SFC(と恐らくN64)の吸い出しは使用できるようになるはず。

初心者は最初からクロックジェネレータ付きを買おうという話

試行錯誤の結果、ファームウェアは結局Ver12.8に落ち着きました。元が確かVer9.1だったんですが、驚くことにアップグレード後のSFC吸い出し成功率が上がったように感じられます。別途アダプターが必要になりますがFCの吸い出しも可能になりました。ファームウェアをアップグレードした甲斐自体はありました。

この一件を通して学んだことは、SFCかN64を吸い出す可能性がある場合には、必ずクロックジェネレータオプションを付けておくべきであるということです。電子工作のスキルがあれば、自分でハンダ付けしてこのオプションを追加できるかもしれませんが、ハードルが高いと思います。

残念ながら自分には電子工作スキルが無いので、諦めてGamebank-webのSFCアダプターを購入しました。ただし、Gamebank-webのSFCアダプターはSPC7110、SDD-1、C4には対応しているものの、SA-1オプションには現時点で非対応です。有名所だとスーパーマリオRPG、星のカービィ3などが吸い出せません。反対にクロックジェネレータオプション付きカートリッジリーダーでは吸い出せるようなので、SA-1を吸い出したい場合はカートリッジリーダーの方がオススメです。

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